八勝寺阿弥陀堂
はっしょうじあみだどう
概要
八勝寺阿弥陀堂は,人吉盆地東端,湯前町の南部にある。草創は鎌倉時代と考えられる。
阿弥陀堂は,平地に西面して立ち,桁行3間,梁間3間,入母屋造,桟瓦葺で,正面に向拝を付ける。堂内は板敷の一室で,格天井を張る。中央背後の壁に接し
て禅宗様須弥壇を構え,方1間の禅宗様厨子を置く。
八勝寺阿弥陀堂は,15世紀後半に遡るとみられる遺構で,人吉・球磨地方独特の中世社寺建築の古い様式をよく伝え,同地方を代表する中世三間仏堂の一つとして,高い価値がある。
時代が異なるが,16世紀後半の厨子が残ることも貴重である。