専修寺御影堂
せんじゅじみえいどう
概要
専修寺は真宗高田派の本山寺院で,現在の伽藍は万治元年(1658)の寺地拡大ののちに順次整えられた。
御影堂は津藩主藤堂家の庇護のもと寛文6年(1666)に建立された,我が国に現存する近世建築において屈指の規模を有する大型仏堂である。壮大な堂内は,建登せ柱や組物などを,その構造特性や意匠性に配慮して効率的かつ効果的に配置し,優れた大空間を実現している。また多彩な装飾を施した荘厳な内陣など,各所に壮麗な信仰の空間を創出する。
専修寺御影堂は,阿弥陀信仰の広がりの中で独自の発展を遂げた高田派の仏堂の特徴を明瞭に示し,近世仏堂の大型化や多様化の指標となる大規模建築として,深い文化史的意義を有している。