防長両国絵図
ぼうちょうりょうこくえず
概要
長州藩(萩藩)の藩領である長門・周防両国(現在の山口県域)を描いた絵図。長州藩では農村支配の中間組織として、代官が治める宰判制度という独自の行政区分を用いていた。この絵図では、当島宰判・山口宰判・美祢宰判など18区域に色分けし、代官の役所である勘場の位置も示してある。また、長府藩・徳山藩・清末藩・岩国領(明治元年に岩国藩)の4つの支藩も色分けしてある。そのほか道筋や一里塚、御茶屋(藩主の宿泊所)など、豊富な情報が描きこまれる。本州最西端に位置する藩であるため、長い海岸線を有していたことが特徴としてよく表れている。