東大寺開田図
とうだいじかいでんず
概要
この開田図はいずれも東大寺領越前、越中両国の庄園に関するもので、正倉院に現存する他の開田図と共にもと東大寺に伝来したものである。第一幅の高串村田図は原図作製当時の案と認められ、第二幅の石粟村田図は東を上位とし、石粟村官施入田の條里及び開発状況を図示したもので、左端に天平宝字三年十一月十四日の日付と、東大寺検田使、越中国司官人の位署があり、字面の要所には越中国印十九顆が捺されている当時の原本である。第三幅は神護景雲年間を程遠からぬ頃の案と認められ、第四幅も奈良時代後期の案と考えられる。