鹿目の滝
かなめのたき
名勝 渓谷・渓流
- 熊本県
- 鹿目の滝は、人吉市鹿目町に位置し、球磨川水系鹿目川及びその支流に懸かる。本滝は、雄滝・雌滝・平滝の3滝からなり、別名「鹿目八重滝」ともいわれる。滝に対する認識は時代によって変化が見られ、江戸時代から明治時代は雄滝のみ、大正時代初めごろからは雄滝と雌滝、現在は3滝をあわせて鹿目の滝と呼称している。
本滝は、安永2年(1773年)に作成された『球磨絵図』に雄滝とみられる滝が紅葉とともに鮮やかに描かれており、少なくとも江戸時代中期には景勝地として認識されていたことが分かる。また、明治32年(1899年)に刊行された人吉初の郷土紹介本である『人吉繁昌記』をはじめ今日に至るまで滝に関する記述は多い。そのほか、地元小学校の校歌にも歌われるなど、鹿目の滝は人吉・球磨地域が誇る名瀑である。
滝が懸かる岩盤はいずれも鹿目川玄武岩で柱状節理が発達している。また、雄滝が懸かる断崖の下には約250万年前の湖成層である人吉層上部が見られる。シルト岩を主体とする人吉層上部は軟らかく、雄滝と雌滝には深く浸食された滝壺が形成されている。雄滝は落差36mの直瀑である。滝口から滝壺まで柱状節理が発達した黒色の断崖を水が一直線に流れ落ちる様子はまさに勇壮である。雌滝は、上段落差30m、下段落差7mの段瀑である。水が2段の断崖を複雑に流れ落ちる様は変化に富み、雄滝に対し優美な印象を与える。平滝は、落差12mの分岐瀑である。ほかの2滝と比べると水の流れは緩やかで川幅一杯に広がりながら断崖を流れ落ちる。
- 熊本県人吉市鹿目町字伯父平3665-1、3665-4、3663-18
熊本県人吉市鹿目町字伯父平3665-4と同字伯父平3663-18に挟まれる河川敷
熊本県人吉市鹿目町字伯父平3665-1と同字伯父平3663-18に挟まれる水路敷
- 指定
指定年月日:20240322
- 人吉市
- 記念物