絹本著色八相涅槃図 けんぽんちゃくしょくはっそうねはんず

絵画 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 1幅
  • 重文指定年月日:19930610
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 開善寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

釈迦涅槃前後の八事件をあわせ描いた図を八相涅槃図とよんでいる。本図は涅槃場面を画面中心に表し、純陀供餞・臨終遺戒・再生説法・金棺不動・金棺拘尸城施回・荼毘および迦葉接足・分舎利の七情景を周囲に配置している。
 八相涅槃図は既に七件指定されているが、その構図法から二つのグループに分類できる。本図は京都・万寿寺本(明治四〇・五・二七)、岡山・遍明院本(明治三四・八・二)、同・自性院安養院本(明治三四・八・二)と同グループに属す。ただし、各本間で会衆や動物の数や姿態等に若干の差異がある。表現技法的には鎌倉時代後期頃の制作とみられる自性院安養院本に近く、より本図に形式化が認められるところから制作年代は鎌倉時代最末期と推定される。
 開善寺は清拙正澄(一二七四-一三三九)を開山と伝える禅刹であり、本図の制作背景を考えるうえで注目される。地方禅院における五山期の文化遺産として価値が高い。

絹本著色八相涅槃図

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