紙本著色是害房絵巻

絵画 / 室町

  • 室町
  • 2巻
  • 重文指定年月日:19770611
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 曼殊院
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 是害房【ぜがいぼう】の絵巻は、大唐の天狗是害房が渡来したが、日本僧との法力に敗れ帰るという興味深い説話(『今昔物語集』巻第二十「震旦天狗智羅永寿【ちらようじゆ】渡此朝語第二」を典拠とする)を描いたものである。曼殊院本奥書によればその原本は延慶元年(一三〇八)磯長寺において成立したと考えられる。
 是害房絵は他に残闕本一巻が知られているが、曼殊院本は唯一の完本で、描写は素朴なうちに奔放で力強い筆致が窺われ、おそらく奥書にみる文和三年(一三五四)転写より程遠からぬ頃に描かれたものと推察され、中世説話絵巻の珍重すべき遺例として注目される。

紙本著色是害房絵巻

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